会長・常任幹事会からひとこと(2017年)
2017年12月
今年を振り返って
もういくつ寝るとお正月♪♪ と口遊む、師走となりました。この月になると、この一年はどんな年であったかを考えますね。年を重ねると、昔のこと、子どもの頃のことまで思い出します。
以前読んだ本で「うーん なるほど」と感じたインディアンの教えを記します。
子ども達はこうして生き方を学びます。
- 批判ばかり受けて育った子は、人をけなすようになります。
- いがみあう家庭に育った子は、人と争うようになります。
- 恐れのある家庭で育った子は、びくびくするようになります。
- かわいそうだと哀れんで育てられた子は、自分が哀れな人間だと思うようになります。
- ひやかしを受けて育った子は、はにかみ屋になります。
- 親が他人に対して嫉妬ばかりしていると、子どももひとを羨むようになります。
- 侮辱したりけなしたりされて育った子は、自分に自信を持てなくなります。
- 励まされ育った子は、自信を持つようになります。
- 寛大な家庭で育った子は、我慢する事を学びます。
- 褒められて育った子は、感謝する事を学びます。
- 心から受け入れられて育った子は、愛することを学びます。
- 認められて育った子は、自分が好きになります。
- 子どもの成し遂げた事を認めてあげれば、目的を持つことの素晴らしさを学びます。
- 分かち合う家庭で育った子は、思いやりを学びます。
- 正直な家庭で育った子は、誠実で有ることの大切さを学びます。
- 公明正大な家庭で育った子は、正義を学びます。
- やさしさと思いやりのある家庭で育った子は、他人を尊敬する事を学びます。
- 安心できる家庭で育った子は、自らを信じ、人をも信じられるようになります。
- 和気あいあいとした家庭で育った子は、この世はいいところだと思えるようになります。
ご自愛のうえ、良い御年をお迎えなさいますように
日本栄養士連盟 会長 加藤廣子
2017年10月
「偉い・立派・格好良い」とは、誰の言う言葉?
10月に入っても残暑で半袖の上、クーラーは欠かせませんでしたが、今や急に11月中旬、いや12月初旬とかの気温で、皆様も戸惑っておられる事と存じます。体調を整えるのも一苦労ですね。
最近、友人より「私の所の社長に会ってみて下さい。きっと、お話があうと思います。」と話しがあり、どんな方かしらと興味もあり、厚かましくも伺いました。
社長室の前で、ビシッとしたスーツで、私の進んでいく姿を見て会釈をされる方がおられるので、秘書の方と思い、近づきました。
「今日は、ようこそ」と深々とお辞儀の後、社長と名乗られ、先ず驚きました。
お話は楽しく伺い、お会いして良かったと思える日でした。
娘時代、兄や姉そして私にも「偉い・立派・格好良いとは他人の言うこと」、自分で言ったら台無しよ、と母から言い聞かせられていた言葉を思い出しました。
あれだけのお立場が有りながら、微塵も高ぶらない優しさ。
その社長さんが書かれた本の中に「自分を低くする」と言う見出しが有り、エッ!?と読んでみると、「自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高められる」社長さんは世界を股にかけておられる方です。昔、翻訳した中の一節だそうです。
自分を良く見せかけようとするのは、何故なのでしょうかという話。
最大の理由は「不安」だと思います。ありのままの自分に自信が持てない為に、良く見せようとうわべだけを繕ったり、虚勢を張ったり、スタンドプレーに走ったりします、と。
社長さんの言葉の端々に、ご家族、社員の方々に寄せる深い愛情を感じ、挨拶の大切さ、人の見方も参考になる心暖かい一日でした。
気候の変動を上手に乗り切られますように。
日本栄養士連盟 会長 加藤廣子
2017年9月
秋 到来!
夏のお疲れは出ていませんか
中学生や高校生の孫達は、私の言葉に対するこだわりを感心して聞き入ってくれる嬉しさはあるのですが・・・・・・。ただのこだわりオバアサンに思われるのかもしれない。
でも、日本の文化や言葉のニュアンスを若い方々に伝えることは大切な役目と思い、懲りずに伝えます。
さわやかな季節という表現
さわやかは俳句では秋の季語で、空気がよく乾いた秋晴れの日にふさわしい形容詞。春や初夏の天気のいい日に使うのは不適切。
肌寒い
肌寒いも秋の季語で「肌寒い季節」は、本来、秋を形容する言葉。春にも体感温度が低い日はありますが、肌寒いと表現すると違和感があります。
茨城
8月に茨城県知事選がありました。「いばらき」と濁らずに読むのが正しい。なお、大阪府の茨木市も、いばらぎと読む人がいるが、正しくはこちらも「いばらき」。
祭日から祝日に
9月は18日に敬老の日、23日に秋分の日と祝日が2日ある。「祭日」は、戦前は国家的な行事として行われていた皇室の
書き出したら切りがない。長らく自分の作成した献立を喫食者に説明する際に、誤字脱字はないか、意味にまちがいはないかと調べていたくせなのかもしれません。
そのつみ重ねが、私の生き方の土台になっている様な気がします。
仕事をしながら培ってこられたことに、今は感謝しています。
季節の変わり目です。どうぞ くれぐれも ご自愛遊ばされ、
心も体もすこやかに ご活躍なされます様に。
日本栄養士連盟 会長 加藤廣子
2017年7月
お暑うございます
お暑うございます。「夏は北海道に住んでみたいわ」と言う方が多いのですが、今や35℃超えの日も有り、東京よりも高い日も…。この先どうなるのか気候が心配です。とにかくこの夏を上手にのりきりましょう。
私はわからない事が有るとすぐに辞書を引きます。その文言の前後が読め、知識が増えた様な気がして、楽しいのです。
夜ごはん という人が最近増えていることが気になります。
本来は、「夕ごはん」か「晩ごはん」ですが、朝の対義語が夜であることから広まった様です。口語では大きな問題ではありませんが、文章に使うのはまだ避けた方が良いのでしょうとのこと。
号泣 するという言葉をテレビ等で聞く度に「違うでしょ!」と言いたくなります。本来の意味は「大声をあげて泣く」ですが、半数近くの人が「激しく泣く」と思っているそうです。「しくしく泣く」「むせび泣く」など、そんな時は「号泣」を使ってほしくない。
辛党 はお酒の好きな人のこと。酒は甘みが少ないことから「辛党」と呼ばれるようになったとみられるとのこと。辛いものが好きな人ではありません。
ポタージュスープとポタージュ ポタージュは、フランス語でスープという意味です。ポタージュスープはわかりやす過ぎる重複表現なので、日本でも単に「ポタージュ」という人が増えてきています。そろそろスープをつけるのは、?になっても良いでしょう。
チゲ鍋とチゲ チゲは韓国の鍋料理の総称ですから、チゲ鍋というと「鍋料理鍋」という意味になってしまいます。日本では重複表現と気づいている人は少なく、文章に書く時はともかく、会話では許容範囲でしょうとの事。
甘いスイーツとスイーツ スイーツは「甘いもの」という意味であり、あまりにストレートな重複表現。一方「甘いケーキ」や「甘い菓子」は、ケーキか菓子は甘いものと決まっているので、巧みな形容とは言えないものの少なくとも重複表現ではありません。
朝漬けではなく浅漬け 浅漬けはかるく漬けた漬物のこと。朝食に食べることが多くても、朝漬けは?、浅漬けの対義語は「深漬け」です。
最近ニュースで良く聞く言葉について記しましょう。
国会が解散する→これはありません。
衆議院が解散するが正解です。国会は衆議院と参議院の二院で構成されていますが、参議院に解散が無いため、解散するのは衆議院だけです。
参議院総選挙→これはありません。
「総選挙」は議員総てを改選するという意味で衆議院にしか使いません。半数ずつ改選する参議院選挙は、単に「選挙」か「通常選挙」と呼びます。
私は知らない事だらけですが、調べて知ることが楽しみなのです。古代ギリシアの哲学者ソクラテスの言葉に「無知の知」とあります。自分は無知であると自覚することが真の知に至る道であるという考え方。何でも知っていると自信過剰気味の人を、この言葉でたしなめることも出来ますね。
日々 ご自愛の程を。
日本栄養士連盟 会長 加藤廣子
2017年6月
頭の良い人、魅力的な人
衣替えの季節となりました。平安朝では、4月1日と11月1日にそれぞれ夏装束、冬装束に改めたそうです。
現在は、制服については6月1日と10月1日を目安にしています。しかし、今の気温は尋常ではなく、毎朝悩みますね。
ところで私は暇さえあれば、ジャンルを問わず様々な本を読みます。最近読んだ本の中で、う~ん、ナ・ル・ホ・ドと痛く感じた事を記しましょう。
頭の良い人というのは、どういう人のことを言うのでしょうか。
これまで、もっぱら学業成績が優秀なことを、「頭が良い」と言ってきましたが、それは知能の一部にすぎません。あらかじめ、正解が存在する問題を机の上で解決する分析的能力に限ってのことなのです。ペーパーテストで、高得点という自慢は、しょせん学校の中でしか通用しません。
これから世の中を生きていく上で「頭が良い」とは、どういうことを言うのでしょうか。
それは他人の気持ちが分かる人。そして自分の思いを相手に分かる様に伝えられる人。物知り顔に批評するだけでなく、代わりの案を考え説明できる。それが頭が良く魅力的な人であることの条件です。と書かれており、感じ入りました。
魅力的な人になる為にまず必要なことは、人間というものへの洞察力であり、表面的な知識よりも体験の豊富さ。すなわち知恵の貯えと礼儀正しさが、その人の魅力を高めていくのです。とありました。
魅力的な人をめざしたいですね。
日本栄養士連盟 会長 加藤廣子
2017年4月
食品に精通、熟練した専門家
新しい年度を迎え、緊張とやる気で胸いっぱいの事と思います。春は人生の節目ですね。
活躍の場を是非広げられます様に。
孫から「手も足も出ない」という言葉は、どんな時に使うの?と質問。私は、分厚い辞書を見るのが趣味と言っても過言ではありません。孫と一緒に調べ、孫は非常に納得し、様々に活用していました。
そこで、手や足を使った言葉が多い事、皆様ご存知のことと思いますが記してみます。
手の編 |
・手が空く・・・・・・・・・・一時的に暇になる。 ・手が塞がる・・・・・・・・・他の事をする余裕がない。 ・手が後ろに回る・・・・・・・警察に捕えられる。 ・手に負えない・・・・・・・・どうにも処理できない。 ・手が掛かる・・・・・・・・・時間と労力がかかる。 ・手の無い将棋は負け将棋・・・方策がなければ成算もないこと |
足の編 |
・足が地に着かない・・・・・・落ち着かなくなる。基礎が確立していない。 ・足が出る・・・・・・・・・・赤字になる。 ・足が早い・・・・・・・・・・腐りやすい。売れ行きが良い。 ・足を引っ張る・・・・・・・・邪魔をする。 ・足を向ける・・・・・・・・・その方向に行く。 ・足元に火が付く・・・・・・・身近な所に危険が起こること。 |
皆さんが当然知っている事を記しましたのは、現在、献立を作成するときは今までのデータが有りパソコンを駆使し、栄養価を満たす為に数値を調整している方が非常に多く見受けられます。
食品成分表を一週間にどの位、開いてご覧になりますか?
私が、辞書を好きな理由は、調べようと思う文言を調べながら、その文言の前後を見て学ぶことが多いからです。スーパー・デパートの食品売り場には、驚くほどの食品数と新しい食品に驚かされることが有ります。どうぞ、食品に精通、熟練した専門家として底力をつけて、日々の献立作成に反映させて戴けたらばと願っています。
明るい楽しい日々を送られます様に。
日本栄養士連盟 会長 加藤廣子
2017年3月
日本中が親戚の様です
3月中旬に、47都道府県の支部長と役員が一同に会する会議が、東京で開催されます。
北海道から沖縄までの全国組織です。私は、毎日のテレビの天気予報を気温や気候、花粉状況や温度まで不思議な程じっくり見ます。そして、それぞれの地域の方々のお顔に思いを馳せるのが日課の様になっています。
北海道には、学生時代の友人もおり、雪の厳しさをまざまざと聞いています。月1回、お稽古に飛行機で東京に来ているその友人は、1月~3月の千歳空港は予定通り離着陸が出来ないことがとても多く、レッスン予約が上手くいかず困るのよ、と話す・・・。私は、若い頃行ったニセコのファンファンのパウダーの様な雪でのスキーは、忘れられない良い思い出なのですが・・・・。
2月の大雪の時の役員会は、新潟の役員は在来線、新幹線は運行しているものの、駅までの除雪が遅れており来られないこともございました。
台風・水害・・・日本中のハプニングに心を痛めます。まるで、日本中が親戚の様ですね。
話は全く変わりますが、私たちの身体は食べている物の影響を受けている訳ですが、今、ふと思いました。24時間休みなく心臓は全身に新鮮な酸素と養分を含んだ血液を送り届け、末端の組織にある汚れた血を心臓まで取戻し、その血液に酸素を加えて新しくして全身に送り出していることを。自然に書く為に指が動くこと、目も耳も口も鼻も足も・・・部品毎に様々な自分の身体の動きを見て、感動、感謝しきりです。
どうぞ季節の変わり目、ご自愛の上、春の訪れを楽しんでまいりましょう。
日本栄養士連盟 会長 加藤廣子
2017年1月
指導者と選手の力
明けましておめでとうございます。
皆様にとりまして心のほっこりする年でありますように。
昨年暮れにプーチン大統領が来日した際、大統領はあこがれの山下泰裕氏に会いました。山下氏は、全日本選手権九連覇、世界選手権で4タイトル独占、1984年ロサンゼルス五輪で金メダリスト。
以前、指導者としての心意気を書いた本を読み、痛く感じ入りました。それは、指導者というのは、選手の力を最も伸ばしてやるのが主眼なんですね。
「何でこんなことも出来ないんだ」と思ったら駄目じゃないですか。「何でこんなこともオレはちゃんと教えられないのか」と責任を自分に転嫁しないと。
山下泰裕氏は、名指導者を目指しています。
親と子、栄養士と患者さんや喫食者の方々、栄養士と調理師さん、栄養士養成施設の教員と生徒等の間柄は、指導者と選手という構図でしょう。
私の友人は、昨年春「とっても嬉しいことが有るんですよ。」と言いました。その友人は、調理を委託している施設側の男性管理栄養士。嬉しいことって?と伺うと、「委託会社の栄養士が努力してくれて、管理栄養士の試験に受かったんですよ。」と満面の笑みで答えました。
彼は、受験する為に様々な事を教え、時間的にも環境的にも特段の配慮をしたに違いないでしょう。受験生も相当努力したことでしょう。双方にあっぱれ!!
心がほっこりしました次第です。18歳の時、栄養士・管理栄養士を目指していた私たち。勤務する職場が違うだけで人として違いは有りません。
以前読んだ、新渡戸稲造の武士道という本に、「馬を下りて、花を見る」という言葉と山下氏の言葉と通じると思います。
日本栄養士連盟は、やさしく、丁寧に、しとやかに、そして栄養士・管理栄養士の為に出来得る限り力強く活動していく心算です。
今年も お互いに 前を向いて参りましょう。
日本栄養士連盟 会長 加藤廣子